太陽光発電は儲かるのか
太陽光発電を設置することで、家で使用する電気を作り出すことができます。
それによって電力会社からの使用を控えることができますから、電気代を節約することになるのです。また、売電によって収益化できる可能性もあります。
ここでは、太陽光発電を設置することで儲けることができるのか、ということについて説明していきます。
太陽光発電の特性とかかる出費を考慮する
太陽光発電は自然を相手にする投資
日射量で発電量が変化する
太陽光発電は日光を利用した発電方法なので、儲かるかどうかは、年間の日射量で決まると言っても過言ではありません。
実は、宮崎県は全国の中でも特に日射量が多く、太陽光発電で儲かる可能性が高いエリアだと言われています。宮崎県の日射に関するデータは次のとおりです。
日照時間(平年値) | 2,116時間 | 全国3位 |
---|---|---|
快晴日数(平年値) | 53日 | 全国2位 |
平均気温(平年値) | 17.4℃ | 全国3位 |
このように、年間を通して快晴の日数が多く平均気温も高い宮崎県は、全国的に見ても日照時間が長く、宮崎県独自の「ひなた指数」という総合指標を作っているほどの日射量を誇ります。
ちなみに、日照時間、快晴日数、平均気温のすべての項目で、3位以内にランクインしている都道府県は宮崎県だけなので、日射量という点から考えると、全国で最も太陽光発電に向いている都道府県です。
太陽の光が差している時間が長ければ長いほど、太陽光発電での発電量は多くなるので、宮崎県で太陽光発電投資をしないのは損だとも言えるでしょう。
自然災害による被害もある
日射量に関しては太陽光発電投資に理想的な宮崎県ですが、自然災害による被害が多いことも含めて検討する必要があります。
宮崎県という土地柄、最も注意するべき自然災害は台風です。九州エリアは毎年台風が多く通過するため、時として大きな被害を被ることがあり、太陽光発電システムにダメージを与えてしまうこともあります。
例として、2018年の台風24号による宮崎県の被害を見てみると、宮崎県内全体で一部破損の被害が多く、全壊や半壊などの被害も発生しました。
死者 | 1人 | |
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軽症者 | 12人 | |
住宅被害 | 全壊 | 3棟 |
半壊 | 10棟 | |
一部破損 | 159棟 | |
床上浸水 | 149棟 | |
床下浸水 | 318棟 |
出典:宮崎県:(PDF)平成30年台風第24号による被害状況について
また、最近では大きな地震にも遭遇するなど、自然災害による影響は免れないでしょう。
地震が起きた場合にも同じようなことが考えられるので、宮崎県で発生する自然災害を踏まえた上で、ソーラーパネルへの被害が及ばないように対策を行なう必要があります。
太陽光発電にかかる税金
太陽光発電に課せられる税金は、固定資産税と所得税の2種類です。
まずは固定資産税ですが、固定資産税の課税対象となる太陽光発電は、屋根からソーラーパネルが取り外せないタイプのもので、屋根にソーラーパネルを設置するタイプであれば課税対象になりません。
また、屋根ではなく土地にソーラーパネルを設置した場合は、固定資産税の課税対象となります。
課税対象となった場合の固定資産税の金額は、「固定資産税=評価額×税率(1.4%)」によって算出され、太陽光発電の耐用年数である17年間に渡って課税されます。太陽光発電の大きさにもよりますが、家庭用であれば年間10,000円以内に収まることがほとんどだと言われているため、大きな不安はないでしょう。
次に所得税については、太陽光発電で得られた売電収入によって課税額が変わりますが、所得税が課せられるのは売電収入で年間20万円の利益が出た場合のみです。
ここで確認しておきたいところは、「売電収入で得た利益」は、売電収入から経費を差し引いた金額になるということ。
太陽光発電での経費とは、設置してから17年間に渡って計上される「ソーラーパネルの減価償却費」のことです。つまり、太陽光発電の売電収入からソーラーパネルの減価償却費を差し引いた金額が、年間20万円を超えた場合のみ所得税が課せられるということになります。
宮崎県で太陽光発電をするときにもらえる補助金
宮崎県内で太陽光発電システムを設置すると、「住宅用太陽光発電システム設置費補助金」という補助金を受け取ることができます。この補助金は宮崎県によるものではなく、各市町から出されているもので、2019年1月現在で募集が行われているのは、宮崎市、串間市、東諸県郡綾町の3つの自治体です。
例として、宮崎市の場合、住宅用太陽光発電システム設置費補助金の詳細は次のようになります。
補助対象者 | 宮崎市の戸建住宅か共同住宅に太陽光発電を設置し、その住宅に住んでいる本人、もしくは生計を一緒にしている人。 | |
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申請者の条件 | ・市税を完納している ・太陽光発電に関する補助金をこれまでに受けていない ・宮崎市暴力団排除条例第2条第3号の規定に該当しない ・システムを設置した住宅に住民登録している ・申請者が電力会社と受給契約を結ぶ ・平成31年3月までに電力需給を開始する ・一般社団法人太陽光発電協会JPEA代行申請センターに登録されたシステムを設置する ・宮崎市の事務所のあるものが販売と設置を行う |
|
補助金額 | 1キロワットあたり | 2万円 |
上限金額 | 7万円 |
出典:宮崎市:平成30年度 住宅用太陽光発電システム設置費補助金 実績報告
申請のための条件が少し複雑ですが、条件に合えば受け取れる補助金なので、太陽光発電を設置する前によく確認しておきましょう。
太陽光発電設備の相場
太陽光発電設備はたくさんのメーカーが販売していて、設備の種類や設置面積などによって費用は変わるため、一概にいくらと言うことはできません。
ですが、宮崎県で設置した場合は、4~6kwの設備でおよそ150~200万円が相場となるようです。太陽光パネルはメーカーによって異なりますが、120~130万円程度となることが多いでしょう。
傾向としては、国産有名メーカーの太陽光発電設備のほうが高額で、海外メーカーのほうが安価になりますが、太陽光発電の性能なども比較して選ばないと、後々後悔することにもなりかねません。
それに加えて必要となるのは、パワーコンディショナーと呼ばれる作り出した電気を送電したり、家庭用の電気に変換したり、といった役割を担う機器の費用です。パワーコンディショナーも種類によって金額が変わりますが、25~40万円程度となります。
そして、その他の費用として、発電モニタやリモコン、ケーブル、設置費用、電気配線の工事費用などが加えられ、合計150~200万円の目安という計算です。
宮崎県で太陽光発電を上手に活用するには
住宅用の太陽光発電を活用して儲かるためには、まずはソーラーパネルなどの設備の費用とメンテナンス費用の合計を把握します。そして、売電で得られる収入と削減できる電気代を調べることが重要です。
太陽光発電設備の相場は、先にご紹介したとおりですが、メンテナンスは頻繁に行なうものではないので、20年間で5万円ほどと考えてください。そして、太陽光発電で儲かるためには、売電収入だけでなく、削減できる電気代のことも含めて考えておきましょう。
太陽光発電で作れる電気の量は、設備の性能などによって変わりますが、日射量の多い宮崎県は他の都道府県と比較してたくさんの電気を作り出すことができます。
宮崎県の発電量を考えると、発電した電力をすべて自宅で使用すれば、電力会社を使用せず、電気代をタダにすることも可能でしょう。今まで支払っていた電気代がタダになれば、その分が間接的に儲かることになります。
発電した電力の半分を自宅に回すだけでも、20年間で設備とメンテナンス費用が回収可能で、宮崎県の日射量であれば儲かることも可能です。ただし、設備を購入するときの支払い方法が分割であれば手数料が発生するので、初期費用回収のための期間が長引きます。できるだけ、一括払いで購入したほうがお得です。