ソーラーパネルの種類
宮崎で扱っている太陽光発電のパネルには種類があります。種類を把握して、目的に合ったものを選びましょう。
パネルの種類と特徴を確認するために
ソーラーパネルには1種類だけではなく、複数の種類があります。種類ごとに特徴が全く違うので、太陽光発電を設置する際には理解しておいてください。
家庭用の太陽光発電で使われるソーラーパネルは、シリコン系と化合物系、有機系の3種類に分けられます。
このうちシリコン系には、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、HITシリコンの4種類があります。国内のシェアはシリコン系が一番高くなっています。
単結晶シリコン・HITシリコン
変換効率が良いのは、単結晶シリコンやHITシリコンのソーラーパネルです。
単結晶シリコン
単結晶シリコンは不純物が少ない純度が高いシリコンを使用することによって、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率が非常に優秀なソーラーパネルの素材です。
現時点では最高水準のもので変換効率は20%前後になっています。耐久性も高く故障しにくいので、余計な修理費用がかかる可能性が低くなります。ソーラーパネルとして昔から存在しているもので、普及率もNo. 1です。
しかし純度の高いシリコンを製造するのにはコストがかかり、価格も高くなってしまいます。
単結晶シリコンのメリット
エネルギー変換効率が良い
太陽光を電気エネルギーに変換するソーラーパネルにとっては、いかに太陽光を無駄なく電気エネルギーに変換できるかが重要になってきます。
理由としてソーラーパネルを設置する目的は節電効果を期待してのことで、それには初期費用として高額な費用がかかります。いわばソーラーパネルの設置は未来への先行投資のようなもので、太陽光で作った電気を使うことにより節電しながら、初期費用のもとを徐々に取っていかなければなりません。
そのことから太陽光から電気エネルギーへの変換効率が良い方が電気を多く作れて、初期費用を速やかに賄えるのです。
現時点では単結晶シリコンが変換効率一番良いのです。
・スペース少なくても設置が可能
エネルギー変換効率が良いのでソーラーパネルの枚数を最小限に抑えることができ、坪数の少ない住宅の屋根やスペースでも十分省エネ効果が期待できます。
またパネル加工も簡単で、様々な形状に対応することができます。
・開発技術が進歩している
ソーラパネル登場当時から存在するパネルなので歴史があり、開発技術は現在も進歩しています。まず発電効率は最初から良かったわけではなく、研究の賜物でここまでの進化を遂げてきました。
パネルの耐久性についても、開発技術の進歩で現在の状況に至ります。つまり単結晶シリコンは古い技術ではありますが、日々進歩していてこれからも進化は続くでしょう。衰退していく気配がないパネルといって良いでしょう。
単結晶シリコンのデメリット
価格が高い
使用面については申し分のない単結晶シリコンですが、やはり価格が高いのはデメリットと言えます。後から紹介していくソーラパネルに比べて、価格は高めになってしまいます。
理由として純度の高いシリコンを形成してからパネルにしていくため、技術と時間、労力もかかってしまいます。どのようなものでもそうですが、純度が高いものを形成していくにはそれだけお金がかかるのです。
HITシリコンパネル
HITシリコンパネル(ヘテロ接合パネル)は単結晶パネルとアモルファスシリコンパネルを組み合わせて作られたパネルです。
現在はPanasonicが主に製造・販売しているソーラーパネルとなっています。上記で紹介した単結晶シリコンと同様、電気への変換効率が非常に優秀ですが、理論的には単結晶シリコンよりもさらに効率が良いとされています。
理由として単結晶パネルではパネルの表面にクラックと呼ばれる亀裂のようなものが入ってしまうため、電気の流れを妨げてしまい、変換効率を妨げてしまう可能性があります。しかしHITシリコンパネルはクラックが出来にくい構造となっており、変換効率のロスが起きにくいのです。
HITシリコンパネルのメリット
ソーラーパネルの中でも太陽光エネルギーを最大限に活かすことができる
ソーラーパネルというのは太陽光エネルギーを100%に近い水準で電気エネルギーに変換するということは不可能ですが、現段階で一番太陽光エネルギーから電気エネルギーに変換するのに対して効率が良いのがHITシリコンパネルと言えます。ソーラーパネルは屋外の日が良く当たる場所に設置するのが最低条件になってきますが、結晶系のシリコンパネルは熱に弱く直射日光を浴びすぎてしまうと変換効率が落ちてしまいます。しかしHITシリコンパネルは熱に強く、暑い場所でも変換効率が落ちにくく、安定した電気供給を行えます。
・細く一点集中のような強い光も逃さず効率的
通常、太陽光パネルというのはパネル全体に当たった光を吸収して電気に変えていますが、虫眼鏡を光に当てて作ったような細く強い光には弱く変換しきれないことがあります。しかしHITシリコンパネルならば細く強い光でも取り込むことが可能で、日差しが強くない日でも効率的に光を取り込み、電気へ変換してしまうのです。
・パネルを薄型にできる
薄型にできるということは軽量化できることにもつながり、軽量化することで多種多様な場所に設置できるようになります。また一方方向だけから太陽光エネルギーを受け取るのではなく裏側からも光を受け取れることになり、変換効率が上がります。
HITシリコンパネルのデメリット
Panasonicでしか製造・販売していない
何と言ってもHITシリコンパネルは現在、Panasonicでしか取り扱っていないというのが最大のデメリットといって良いでしょう。
ソーラーパネルを購入しようとした時に色々吟味した結果、HITシリコンパネルを選択したとしてもメーカーが選べずHITシリコンパネルにした時点でPanasonicから購入するしかありません。そのことから他社との価格差を比べられず、提示された金額が安いのか高いのかも分からず、設置を行わなければなりません。
・とにかくコストパフォーマンスが悪い
単結晶パネルとアモルファスシリコンパネルを組み合わせて良いことずくめのように思えますが、変換効率が良いとされていても単結晶パネルと価格はさほど変わりません。そのことからコストに見合った変換効率を提供しているかと言われたら、疑問視されてしまいます。
・これからの技術なのでどう転ぶか分からない
HITシリコンパネルはまだまだ発展途上の技術のため、今後どうなるか分からないのが現状です。電化製品というのはVHSとベータマックスの時のように、用途は同じ製品でも使用が大きく異なり、この時はどちらが残るのか予想できませんでした。結果的にVHSが市場に残り、ベータマックは機器としてVHSよりも優れていたとされているのに市場から姿を消しました。このように、いくら優秀なものであっても市場から消えてしまうときはあっさり消えてしまうのです。
多結晶シリコン・アモルファスシリコン
多結晶シリコンパネル
多結晶シリコンやアモルファスシリコンは、単結晶シリコンパネルなどを製造する際に残った切れ端のようなものを集め溶かし、固めてパネルにしたものです。不規則に原子が繋がっているため、変換効率は悪いですが価格面では優位になります。変換効率は15%程度になるでしょう。
多結晶シリコンパネルのメリット
価格が安価
多結晶シリコンパネルは簡単に説明していくと、単結晶シリコンパネルを製造する際に余った切り端を寄せ集めて一枚のパネルにしたものです。単結晶シリコンパネルのように製造過程で、時間と手間がかかることなく製造が簡単なパネルです。そのことからも価格が安価で近年、こちらを選択する方が増えています。
・真四角形状で並べられる
単結晶シリコンパネルというのは一旦、円柱状で製造され八角系に加工していくので形が制限されますが、多結晶シリコンパネルは真四角形状へと加工が可能なので、綺麗にパネルを並べておくことができます。
多結晶シリコンパネルのデメリット
変換効率が悪い
単結晶シリコンパネルの切れ端部分を中心に構成されているので、価格が安価ですが単結晶シリコンパネルに比べて変換効率は落ちてしまいます。
理由として一枚板ではなく、合成版のようなものなので繋ぎ目が多く太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する際にロスが大きくなってしまいます。
アモルファスシリコンパネル
アモルファスシリコンはガラス、または金属基板等の上に、薄膜状のアモルファスシリコンを形成させて作ります。
従来は電卓などのソーラーパネルとして使われていましたが、ここ最近薄くて軽い形状に目をつけて発電用のソーラーパネルとして普及し始めています。
アモルファスシリコンパネルのメリット
シリコンを使う量が少ない
従来のソーラーパネルは、シリコンをとにかく多く使わなければなりませんでした。シリコンというのは材料にする時点で多くのコストがかかり、多結晶シリコンパネルがいくら安価といっても価格帯を見たら安いとは言い切れないものでした。しかしアモルファスシリコンはガラスやステンレスを貼り付けることが可能で、その分シリコンの量を抑えてコストを抑えられるようになりました。
・軽量化かつ加工しやすい
薄型化できることにより、パネルの軽量化が安易にできます。加工もしやすく、曲げ伸ばしが可能な点も、従来のソーラーパネルにない利点となります。この2つの強みにより設置場所の制限が緩くなり、自由度が増しています。
アモルファスシリコンパネルのデメリット
変換効率が悪すぎる
新たなソーラーパネルとして注目される一方、変換効率が悪すぎるのも課題の1つと言えます。現在、変換効率が最も優れている単結晶シリコンパネルが最大20%なのに対して、アモルファスシリコンパネルはわずか9%程度と数字からも一目瞭然です。シリコンの量を減らしてコストを下げているという工夫は良いですが、シリコンの量を減らしたことによって変換効率も下がってしまったのです。
・運用開始時に初期劣化が起こる
パネル周りが高温であっても、影響を受けにくいと言われているアモルファスシリコンパネルですが、運用開始時に初期劣化が起こる可能性があります。理由として直射日光が当たってしまうと内部の水素結合が途切れてしまい、それに伴い出力も落ちてしまいます。この現象は使用していくうちになくなり、その後安定していくのですが、慣らし運転のような期間が必要なのは他のパネルにはないデメリットと言えるでしょう。
化学物系
(CIGS(CIS)系)
また化合物系(CIGS(CIS)系)のソーラーパネルは、シリコン系に比べると変換効率が悪いながらも、高温や曇りなどでも安定して発電することができます。
化合物半導体太陽電池とは複数の元素を主原料としたもので、単結晶と多結晶の太陽電池が存在します。単結晶の太陽電池は、人工衛星など特殊な用途に使用されているものもあります。
多結晶のものには、使用方法や用途に合わせて多様な構造・材質のものがあります。
CIGS(CIS)系ソーラーパネルのメリット
ソーラーパネル感のない外観
従来ソーラーパネルは、ソーラーパネルが設置されています感が全面に押し出された外観で、デザイン性については皆無でした。しかしCIGS(CIS)系ソーラーパネルは無機質な黒一色の外観で、さり気なく設置できるのが特徴です。
・価格が安価
コストがかかるシリコン比べて、金属化合物を使用しているのでコストが抑えられます。結局、シリコン系のソーラーパネルはその中で価格の上下がありますが全体的に高額になってきます。しかしシリコンを使わないCIGS(CIS)系ソーラーパネルはシリコンパネルの括りに入らないので、全く違う価格帯を実現できるようになりました。
・影による質力現象が少ない
ソーラーパネルというのは複数のパネルを直列につなぎ、出力を出しているので一つのパネルが影により太陽光エネルギーを与えられなくなると、全体の出力も下がってしまいます。しかしCIGS(CIS)系ソーラーパネルは影の影響を受けたパネルだけが出力を低下させ、その他のパネルについては通常に稼働していくので出力ロスが最小限で済むのです。
CIGS(CIS)系ソーラーパネルのデメリット
まだまだ発展途上である
今のところ、特に弱点のないCIGS(CIS)系ソーラーパネルですが、デメリットと言えばまだまだ発展途上なことぐらいでしょう。これかもっと変換効率などが改善されそうなので、購入時期を見極めるのが難しいと言えます。
宮崎県に合う種類は?
宮崎県に太陽光発電を設置するときには、メリットは少ないかもしれません。
種類ごとの特徴を理解していると、宮崎県で太陽光発電を設置するときには、シリコン系の4種類の中から選ぶとさらに効率的です。また上記以外にも、異なる性質の材料を組み合わせたハイブリッド型など、いろいろな太陽電池があります。