遊休地の活用方法と太陽光発電
遊休地とは、「何もしていない土地」のことです。
土地は有効活用することで大きな利益をもたらしてくれるだけではなく、不労所得にもなるので遊休地にしておくと「勿体ない」とされています。その選択肢の一つとして、太陽光発電を検討してみるのも良いでしょう。
ここでは、遊休地で太陽光発電を行うメリットやデメリット等について紹介します。
遊休地をそのままにしておくメリット
売却しやすい
遊休地をそのままにしておくメリットとして、売却しやすい点が挙げられます。例えばマンションを建設した場合、土地は欲しいけどマンションは必要ないと思っている人には売れません。土地のみにニーズがある場合は、建物を解体する可能性もあるでしょう。マンションに限らず、何かを建設すれば土地活用として利益が見込める一方で、「次」への動きが鈍ります。
新しく何かをしよう思った時、スムーズに次のアクションが行えず、一度解体という手順を挟まなければいけません。遊休地にしておけば、計画を立ててからすぐにアクションがとりやすくなります。特に昨今は解体業者も人手不足が深刻なので、解体業者の手配も難しいとされているのも、建物を立てている際の懸念点の1つです。遊休地の方が売却も含めて、次のアクションを取りやすいでしょう。
アクションをしてくれる業者がいるかもしれない
遊休地のように「何もない土地」「何もしていない土地」であれば、土地を欲している業者から「売却していただけませんか?」と交渉される可能性もあります。土地があれば、様々なことが可能です。個人ではなく、法人とて土地を活用したいと考えているので、立地次第では遊休地にしておくと、引く手数多で様々な業者がアクションをかけてくれるでしょう。
土地の登記簿をチェックして持ち主を割り出し、「売ってくれないか」と交渉される場合、自ら「買取ってもらえませんか」と申し出るよりも高値での売却が期待できます。複数の業者であればそれぞれの業者が提示する条件を比較し、自分の好きな業者を選ぶことができるので、より高額での売却も期待できるのがメリットです。
「貸す」という選択肢も可能
土地を「貸す」という選択肢も出てきます。売却すると土地の権利を手放してしまうことになりますが、貸して何かをするのであれば、土地の賃貸収入を得られるのがメリットです。契約終了で、再び自分の土地になります。持っていると固定資産税がかかるため、固定資産税分だけでも確保するべく、土地を貸すのも良いでしょう。建物であれば借り手が限られてしまいますが、遊休地であれば興味を示す業者のバリエーションも幅があります。
遊休地をそのままにしておくデメリット
税金がかかってしまう
遊休地であれ、固定資産税がかかります。毎年のように固定資産税を支払うことになりますが、固定資産税は路線価によって決まるのがポイントです。そのため、地価の高いエリアの遊休地の場合、固定資産税も高額になります。
固定資産税はどのような土地にも生じるので、支払いを避けることはできません。もし土地活用で利益を得ているのであれば、得た利益から固定資産税を支払えるでしょう。遊休地にしている場合だと土地からは所得が生まれないので、土地の固定資産税は自らで支払う必要があります。
ゴミ捨て場や犯罪現場に使われるリスクがある
遊休地で懸念される点として、「何もない土地」として認知された場合に悪用される可能性があります。例えば不法投棄されたり、犯罪現場として利用されたりなど、予期せぬ事態が起こるかもしれません。粗大ごみや家電ごみなどは、捨てるためにお金がかかります。面倒に感じている人もいれば、少しでも節約したいからと不法投棄をもくろむケースもあるのが気を付けなければいけないポイントです。空き地、つまりは遊休地は狙われやすいため対策が必要となります。
もしゴミ捨て場となってしまった場合、「ゴミがゴミを呼ぶ」事態になるでしょう。人間心理として何もない更地に物を捨てるとなると抵抗感があるものですが、一つ捨てられていると「ここなら捨てても良い」と勝手な安心感が芽生えてしまうものです。
少し放置していたら、いつしか近隣で評判のゴミ捨てスポットになってしまっているリスクもあります。遊休地であれ、その土地は自分で責任を持って管理しなければなりません。
いくら不法投棄ではあっても、土地を活用したいと思ったらゴミの撤去は自らで負担することになります。
「何もしない」がデメリットになる
遊休地といえども土地です。そのため、「何もしない」こと事態がデメリットになってしまいます。
例えばメンテナンスを怠った場合、雑草で大変なことになるでしょう。雑草が増えて整備されていない土地になればなるほど、先に挙げたように人間心理としてゴミを捨てやすくなるので要注意です。
「ここは私有地です」との看板でも立てていなければ、小さい子供が勝手に入って遊んでしまう可能性もあります。そこで荒らされてしまったり、子供が怪我をしたりするとトラブルにつながるかもしれません。
そのため、「私有地でなので立ち入り禁止」の看板くらいは出しておく必要があります。場合によっては有刺鉄線等でバリケードを作らなければなりませんが、何もなければ侵入する側も何も抵抗なく、「空き地だから」と遊び続けてしまうでしょう。
利益が生まれない
遊休地はいわば「何もしていない土地」です。権利を取得しているだけで、固定資産税がかかります。そして、何もしていない以上、何も利益が生まれません。
青空駐車場にするだけでも、毎月駐車場料金が入ります。マンションを建築して住人が入居すれば、家賃収入を得ることも可能です。土地があれば様々なことができるので、土地活用を検討している人からすると、何もしていない遊休地は「羨ましい」「勿体ない」と思うでしょう。
遊休地で太陽光発電をするメリット
土地を借りたり買ったりする必要がない
太陽光発電をと思った時、遊休地を持っていればわざわざ土地を取得する必要がありません。借りるにせよ購入するにせよ初期費用が掛かるので、お金にするまでに時間がかかってしまいます。反面、遊休地を持っているのであれば初期費用を抑えられるので、土地がない場合と比べて比較的始めやすいのがメリットです。
この点は太陽光発電に限った話ではなく、土地活用全般に言えます。土地は決して安くはありません。新たに用意するとなればそれなりにお金がかかる部分ですが、既に土地を持っているのであれば状況次第ですぐにでも活用が可能です。
広ければ産業用を設置できる
遊休地が広い場合、産業用の太陽光発電を設置することができます。
産業用の場合、太陽の光をより採光するために多くの太陽光発電を設置できるので利益の効率も高まります。太陽光発電の特徴として、設置パネルが増えたからと言って効率は下がりません。
どれだけ増やしたとしても太陽の光の量には関係ありませんし、むしろより多くの太陽光をエネルギーに変えることができるようになります。
辞めるタイミングが自由
新たに土地を借りて太陽光発電をと思った時、すぐには辞められない可能性が高いのがデメリットです。借りている土地はもちろんですが、買い取ったとしても太陽光発電業者を通して購入している場合、ローンの問題もあります。借りているのであれば、契約期間もあるでしょう。そのため、「自分に合わない」「思っていたほどじゃない」と思ったとしても、契約満了までは続けなければなりません。
その点遊休地であれば、自分の土地なので都合に合わせて辞めやすいのがメリットです。ただ、安い買い物ではないので、始めるかどうかは慎重に考えてから決めましょう。
遊休地で太陽光発電をするデメリット
道路に面していると飛び石の危険がある
遊休地が道路に面している場合、飛び石の危険性があります。交通量が多ければ多いほど、それなりのリスクも伴うので対策が必須です。自動車事故に巻き込まれる可能性はゼロではありませんし、道路と面していれば、誰がアクセスするか分かりません。土地の前が運転手の休憩場所となり、常に路上駐車がある状態になってしまったり、歩行者が多ければポイ捨ての問題もあるでしょう。
この点はどこで太陽光発電を行っても伴うリスクです。遊休地はそれまで空き地だったことから、人々のイメージとしても「空き地だったから」ということで抵抗感が薄れると考えられます。結果、ゴミをポイ捨てしたり、立小便等をされてしまう可能性もあるでしょう。
対策:柵やフェンスを設ける
対策としてできるのは柵、あるいはフェンスの設置です。安易に土地に入れなくするだけではなく、道路との境界線を設けることでいわば「ガード」も可能になります。
飛び石程度であれば、柵やフェンスがあるだけでも太陽光発電に対するガードとして十分に機能するでしょう。
また、「中に入らないでね」という暗黙のアピールにもなります。何もしていないところは、侵入者も「誰のものでもないのかも」といった勘違いから安易に土地に侵入してしまいがちです。柵やフェンスがあれば、少なくとも「入ったらまずいかも」との意識を持たせられます。
鳥による落下物で破損する可能性
鳥の糞によって太陽光発電パネルが汚れたり、あるいは破損してしまう可能性もあります。この点もまた、遊休地に限らず太陽光発電を設置するうえでのデメリットであり、気を付けなければならない部分です。
鳥には言い聞かせることができません。特に土地の上に電線があり、電線に鳥がたむろしてしまうと鳥の糞のリスクが常に付きまとうことになります。また、糞だけではなく、例えば鳥が加えてきたものを太陽光発電の下に落とすというリスクもないとは限りません。
対策:業者にメンテナンスを定期的にしてもらう
残念ながら、意思疎通ができない鳥に「ここではしないように」といくら注意を呼び掛けたところで無意味です。そのため、何かあってもすぐに対応できるよう、メンテナンス業者にこまめに依頼するしかありません。
太陽光発電の上に動物の糞がかかっていると、太陽光発電効率が低下してしまいます。この点は致し方ない部分ではありますが、発電効率等を考えると、メンテナンスは疎かにはできない部分です。
工事を始めたらゴミがたくさん出てきた
太陽光発電の設置工事をと思ったら、長年遊休地だったことで、地中にまでゴミが埋まっていることが判明するケースもあります。太陽光発電の設置工事そのものは決して難しくはありませんが、時には地面を掘ることもあるので、土に埋まって気付けなかった不法投棄に気付かされることもあるかもしれません。
対策:事前に私有地であることを伝える
この問題の背景にあるのは、「この空き地なら物を捨てても大丈夫そう」と思われてしまっている点にあります。簡易的なもので良いのでバリケードを設けたり、あるいは「私有地」であることを伝える看板を設置したりするなど、「入ったらまずい土地」であることをアピールしておきましょう。
これだけでも、不法投棄をいくらか防げます。工事の段階で不法投棄を発見する可能性もあるので、太陽光発電設置の際、もしも不法投棄のゴミが出てきたらどのように対処してくれるのか業者に尋ねておくのもおすすめです。業者側としても、相談を受けておくことでもしもの時にスムーズに対処しやすくなります。
ゲリラ豪雨が原因の破損
昨今増えているゲリラ豪雨は、様々な点において「想定外」をもたらしています。
それまでの常識から導き出された対策が意味をなさない程に強烈なゲリラ豪雨は、交通インフラの麻痺や家屋の倒壊などを起こすかもしれません。さらにはダムの貯水率など、我々の日常生活に様々な悪影響を及ぼします。太陽光発電を設置している人にとって、ゲリラ豪雨により太陽光発電に大きな影響が及ぼされるのではないかとの懸念もある筈です。
実際、ゲリラ豪雨によって太陽光発電が破損するケースは増えています。雨によって太陽光発電が破損するのではなく、豪雨によって川の上流から様々な物が流されてくることで、それらが太陽光発電にダメージを与えるのが原因です。流木による被害が最たるものたる例ですが、昨今の「想定外のゲリラ豪雨」は、車やバイクなど普段では考えられないようなものまで流してしまいます。当然それらが太陽光発電と接触すれば、太陽光発電へのダメージは避けられないでしょう。
実際に2014年6月に起きた宮崎での豪雨では、多くの太陽光パネルが水に浸かってしまったという被害もありました。また、2018年の7月5日には、神奈川県で豪雨により太陽光パネルが崩れる事故も起きています。この時は近くに線路があったため、JRの運転が一時見合わせになっています。川沿いに設置されているのであればリスクも高く、かと言って山のように高い場所に設置したとしても、土砂崩れというリスクを考慮しなければいけません。
対策:保険へ加入しておく
ゲリラ豪雨は誰のせいでもないと共に、全てを人力で防げるものではないのも事実です。
個人の努力によって何とかなるかと言われれば、現実的には難しいでしょう。そこで、「どのように防ぐのか」という観点よりも、「ゲリラ豪雨の被害に遭った時のため」のことを想定した対応が大切です。
具体的には、保険への加入が必要となります。太陽光発電には各種保険が用意されているので、保険を活用することで被害額を補填してもらえるのがポイントです。全額保険で賄えるかはまた別の話ではありますが、保険に加入していない場合、被害は自分で何とかしなければいけません。それどころかもしもゲリラ豪雨で流された太陽光発電のパネルが他の人の財産に何らかの危害を加える可能性もあります。その場合、自分自身の過失責任を問われることも覚えておきましょう。
例えば太陽光発電が家屋に突撃して家を破壊したり、あるいは車に刺さったり。ゲリラ豪雨は被害者としての心配はもちろんですが、加害者側になってしまう可能性もあります。どちらも補填してくれる保険への加入は、いざという時に備えて入っておくのがおすすめです。
対策:土壌を強化する
先にゲリラ豪雨は防げないとお伝えしましたが、それでも土壌を強化することで、被害を抑えることは可能です。土壌の強化は、太陽光発電が流されてしまうリスクを軽減してくれます。弱い土壌の場合、ゲリラ豪雨ではなく、少し激しい雨でも土壌が崩れて太陽光発電が流されるかもしれません。
太陽光発電は家屋のように、決して「簡単には動かせない物」ではないのも懸念点です。台風の強風によって飛ばされるリスクもあります。
土壌を強化しておくことで、いざという時に多少は抑止力となってくれるでしょう。土壌が強いおかげで太陽光発電が流されるのを阻止できる可能性もあります。ゲリラ豪雨はいつ訪れるか分からないものだからこそ、土壌強化を行うことで、「対策」を取ることが大切です。
台風によりパネルが飛ばされる
台風も近年、強い勢力のものが増えています。雨はもちろん風の威力も凄まじく、風の影響を懸念して交通インフラが運航を取りやめるケースもあるほどです。
温暖化の影響を受けているとも囁かれているこの災害。強風が押し寄せると太陽光発電だけではなく、様々な物を吹き飛ばしています。SNS上には様々な物が風で吹き飛ばされている映像がありますし、自宅が被害を受けるケースも少なくありません。車や街の看板等、飛ばされるとは思えないものまで豪快に吹き飛ばされるケースもあります。太陽光パネルが吹き飛ばされる事例もあるので、台風が来る地域であれば対策は必須です。
車や大型の看板と比べると、太陽光発電は軽量であるため吹き飛びやすいと言えます。そう考えると、強風によって吹き飛ばされるのもあり得ない話ではありません。
対策:実績のある業者に依頼
ゲリラ豪雨同様、台風に関しても人為的なものではない、まさに「自然の驚異」ですが、「だから仕方がない」ではなく、ある程度の対策が求められます。
この点に関しては業者の施工力が問われる部分なので、実績のある業者に太陽光発電の設置を依頼すると良いでしょう。太陽光発電の設置は、業者によって差があります。様々な自然災害を加味し、より安全にと考えての施工を心掛けている業者に依頼するのがベストです。
自然災害はいつ訪れるか分からないという脅威があります。だからこそ、さまざまなケースを想定できる業者に依頼しなければいけません。工事のクオリティによって、災害におけるリスクは大きく異なります。実績があり、もし被害に遭った際も対応してもらえる業者を選びましょう。
手抜き工事の場合、ゲリラ豪雨や台風クラスではなく、ちょっとした自然災害で大きな被害を被る可能性もあります。設置はもちろん、その後のメンテナンス対応についても要チェックです。
水害による破損以上の損害
いわゆる「水害」もまた、太陽光発電にとってはしっかりと考慮しなければならない問題です。水害問題の厄介な点として、防ぐことが難しい点にあります。
クオリティの高い業者に工事を依頼したとしても、完全に被害を免れるとは言えません。周囲が覆われてしまうかの様な大雨で太陽光発電が浸水したり、あるいは川が氾濫して太陽光発電が水浸しになってしまったりする可能性もあります。これらは天災なので、人間の力で防げるものではありません。異常気象が増えている国内においては、水害は決して他人事でないため、いつ見舞われてもおかしくはない身近な災害として警戒しておきましょう。
対策:保険への加入が必要
この点に関しても対策としては、保険がおすすめです。むしろ、保険以外ではなかなか有効な手立てがありません。
水害に関してもまた、誰かの過失ではありません。結局のところ、水害を防ぐためには「水害にならない様に」と願う以外にないでしょう。
仮に自らが非の打ち所がない設置をしたとしても、ダムの貯水率を超えるような大洪水でダムが放水せざるを得なくなったり、川のキャパシティを超えるような降水量で川が氾濫したりしてしまえば、水害被害に見舞われます。
防ぐための対策にも限度がありますので、水害に遭ってしまった時のことを踏まえ、保険に加入しておいた方が良いでしょう。水害の厄介な点は台風と同じく、自らが被害者でありながら、加害者側に回ってしまう可能性がある点です。流された太陽光発電が何らかの過失をしてしまう可能性もあること考えると、太陽光発電を設置するのであれば保険への加入もまた、前向きに検討しておくことが大切です。
地震による破損
「地震大国」とも呼ばれている我が国。いつ大きな地震が起きても不思議ではないと言われていますし、地震は様々なトラブルが想定されます。
地震の揺れはもちろん、海辺であれば地震によるエネルギーから津波を引き起こすことも考えられます。また、揺れによって停電が起きてしまうかもしれません。自宅の太陽光発電であれば良いのですが、土地を取得して大量の太陽光発電を売電している場合、被害を受ける可能性があります。
対策:地盤は事前にチェックしてもらう
地震もまた、個人の努力で回避できるものではありません。それでも、地震に備えて地盤チェックくらいはしてもらうとようにしましょう。地盤をチェックすることで、地盤が強いか弱いかが分かります。弱い地盤であれば地盤改良が必要です。
地震の二次的な被害として津波等の水害が起きてしまった場合には、いくら地盤が強いとしてもどうすることもできないでしょう。ただ、基本的に地震「だけ」であれば、地盤の強化で防げる可能性があります。揺れだけであれば地盤の強さや施工力に定評のある業者への依頼等で、ダメージを軽減できると覚えておきましょう。
破損した際は廃棄処理を行う
自然災害等で太陽光発電が破損してしまった場合、廃棄することになるのですが廃棄にもルールが定められています。一般ごみとして処分できないのは当然として、廃品回収業者に任せることもできません。では、破損した太陽光発電はどのようにして廃棄処理を行うのかについて、解説させていただきます。
廃棄の方法
基本的に、太陽光発電は「産業廃棄物」です。
これはどのような事情においても変わりません。自然災害で大きなダメージを負ったとしても、あるいは鳥の糞によってパネルが汚れたので処分しようとしても、産業廃棄物として処理する必要があります。太陽光発電には毒性のあるセレンやカドミウムが含まれているので、一般ゴミとして処分はできません。
また、リサイクルできる部分とできない部分があるのもポイントです。リサイクルできるものは再利用されますが、リサイクルできないものに関しては埋め立てにより廃棄されます。
安定型処理場での埋め立てが必要
太陽光発電のリサイクルできない部分には、安定型処理場において埋立られることになります。太陽光発電が普及を始めた当初、太陽光発電はリサイクルが難しいとされていました。
まだまだリサイクルの技術が高くはなかったことから、太陽光発電のリサイクルの手段が見つからないということもあったそうです。どうすれば良いのか分からないアイテムとされていました。近年はリサイクル技術も高まり、太陽光発電のリサイクル率は上がっています。ただし、物によってはリサイクルできないのも事実です。その点も踏まえたうえで、太陽光パネルを選びましょう。
他にも、ここで一つ気を付けておかなければならない点があります。それが費用です。
太陽光発電の廃棄費用については、改正FIT法により積立が努力義務として設定されています。運用益で月々積み立てることで、廃棄する際に費用に困らないようにとの配慮された法です。ただし、この点は改正FIT法からなので、改正前から太陽光発電を導入していた人にとっては、廃棄の費用についても考慮しておかなければいけません。
また、気を付ける点として、破損した太陽光発電が後で見つかるケースもあります。例えば水に流されてしまった場合、「太陽光発電がなくなっている」という点には気付いても、現物がないので廃棄ができないのが難点です。
しかし、後になって「この太陽光発電はそちらのですよね?」と見つかる場合もあります。当然、費用は自分自身で捻出しなければいけません。そうなると、コスト面で少なくない負担がかかるでしょう。太陽光発電の寿命は一般的に20年から25年とされていますが、自然災害に見舞われた場合、寿命前に廃棄しなければならないケースもあります。
そのため「20年後に費用があれば良い」などと悠長に構えるのはおすすめできません。いつ廃棄処理を行うことになっても対応できるように備えておくことも、太陽光発電を運用するにあたって大切な部分です。