太陽光発電の疑問解決Q&A
太陽光発電に関する、よくある疑問を集めてQ&A方式で紹介しています。このページを読めば、太陽光発電のことをより深く理解できるとと思います。
太陽光発電はどんな仕組みで発電しているの?
ひとことで言えば、光のエネルギーを使って電気を作る装置です。半導体を使って、光エネルギーを直接電気エネルギーにすることができます。
半導体に光が当たると、内部に電気を帯びた粒子が発生する性質を利用しています。この電気を、太陽電池の両面につけた電極から取り出すという仕組みです。
寒いところでは発電効率が落ちるの?
東北のような寒い地域では、日照時間も短く、発電量が少ないように思いますよね。でも、実際には東北各県と沖縄地方では大きな差はないんです。
実は、太陽電池の表面温度が低いほど、発電効率は上がるという性質があります。表面温度が10度下がると、変換効率は5%上がると言われています。そのため、寒い地域でも利用することができます。
曇りの日や雨の日は発電できないの?
天気が悪い日は、たしかに発電量は落ちます。とはいえ、常に日光は存在しますから、発電できないわけではありません。雪が積もった場合のみ、雪を落とさないと発電できないという面はあります。
売電できるほど電気って余るの?
標準的な4kWhのシステムを設置すると、晴れた日には3000~4000wの発電量があります。これは、大型冷蔵庫や大型テレビを20~25台動かすだけの電力に匹敵するのだとか。家庭の電力消費には十分な量ですから、売電は可能です。一般家庭では、5kWhもあれば太陽光発電だけで電力をまかなうことができるのではないでしょうか。
屋根は南向きでなくてもいいの?
南がベストですが、ほかの方角でも発電はできます。とはいえ、発電効率が大きく変わるのは確か。方角をしっかり確かめることが大切です。ちなみに、南の発電効率を100%とすると、南東・南西は96%、東・西は85%、北は66%ほどの発電効率だと言われています。
屋根のこう配はどれくらいがいいの?
理想は30°の屋根が理想と言われています。20~40°の範囲であれば5%程度しか発電量は変わらないので、一般的な屋根なら問題ないでしょう。
雷が落ちやすくなることはないの?
太陽光電池が雷を招きやすくするということはないと思います。電柱や樹木、アンテナなど、高さのあるもののほうが危険でしょう。
雷が落ちた場合でも、ソーラーパネルは損傷することは少ないそうです。電流が送電線などを伝わってパワーコンディショナーが破損することはあるそうですが、甚大な被害にはならないと思います。
パワーコンディショナーの運転音はうるさくない?
日常の騒音レベルから考えると問題ないレベルですが、静かなところでは気になるかもしれません。設置場所はよく検討しましょう。
太陽光発電システムの操作は毎日必要?
通常は日の出とともに自動的に稼働し、日の入りとともに停止するので、操作は必要ありません。毎日の点検も必要なく、定期的に検査をすれば十分です。
メンテナンスで交換する消耗品は?
太陽光発電システムには回転部や駆動部はないので、消耗する部分はありません。
太陽光発電ができない地域もあるの?
基本的に太陽は地球上をくまなく照らしているので、太陽光発電ができない地域はほとんどありません。ただし、周辺環境によっては日照効率が異なるので、太陽光発電効率も変わります。
周辺に何もなく、太陽の光を遮るものがなければ太陽の光すべてをエネルギーに変えることができるでしょう。一方、太陽光発電パネルに影を作ってしまうようなものがあると効率が落ちてしまいます。地域・季節によって日照時間も変わるので、日照時間が長いエリアの方がエネルギーの効率化が高いのが特徴です。
太陽光発電で得できるの?
太陽光発電でお得になるかは環境次第ではありますが、売電を抜きにしても自宅の電気代の節約になります。また、いざという時の電気としても頼れる存在です。
昨今は自然災害が増えており、急な停電に見舞われるケースも珍しくありません。太陽光発電を用意している家屋であれば、停電してしまったとしても電気を使えます。単純な費用という点だけではなく、生活への安心感、ライフラインの確保という点においても太陽光発電は有意義です。
太陽光発電が思ったものではなかったら?
導入してみたものの、思ったほど利益を得られない、イマイチなどの場合には太陽光発電を辞めることも検討しておきましょう。その場合、自宅であれば太陽光発電パネルの撤去が必要です。費用は自己負担となりますが、決して「一度付けたら永遠に継続しなければならない物」ではありません。ただし、太陽光発電は短期的に利益を得るものではなく、長期的な視野で見るものなので、数か月程度で「思っていたものと違う」と判断するのは勿体ないと言えます。
買取制度が終わるんでしょうか?
買取制度が終わるというわけではありません。余剰電力買取制度の期限が10年なので、2009年に「10年」の約束で開始された買取期間が終了しています。この点から「太陽光発電の売電が終了する」と話が膨らんでいる部分がありますが、10年満了したのみであって、継続することで売電は続けられます。もちろん条件は見直されるので、見直された後の条件は確認しておくべきです。
買取期間が終わったら太陽光発電の電気はどうすれば良いの?
買取期間が終了した場合、選択肢は自由です。
契約を延長することも可能ですし、それまでとは別の小売電気事業者に売電することもできます。売電するのではなく、蓄電池を導入して自宅でも使えるので、太陽光発電の電気の使い道に困ることはないでしょう。
特に近年は自然災害が増えていることから、蓄電池を活用し、いざという時のために備えている人も増えています。
太陽光発電業者はたくさんあるけど選び方は?
太陽光発電の業者は多々あるので、どの業者に任せるのかは判断が難しいと感じるかもしれません。選ぶ際はそれまでの実績や評判等を考慮して、信頼できる業者を探してみるとよいでしょう。
どこに依頼するかで太陽光発電の生活が変わります。費用だけで安易に選ぶのではなく、費用も含めてどれだけ自分たちのことを考えてくれる業者なのかという視点で業者を選んでみるとよいでしょう。万が一トラブルが起きた際にどのようなフォローが受けられるかも、見ておくべきポイントの1つです。
自然災害が起きても大丈夫なの?
この点に関しては、残念ながら「自然災害次第」としか言えません。
太陽光発電に限らず、車や家屋ですら影響が出る自然災害が起きています。「太陽光発電はどんな自然災害が起きても安全」だとは断言できません。もしもの時に備えて、保険へ加入しておくのがおすすめです。
自然災害で太陽光発電が何らかの被害を受けたり、逆に自ら保有している太陽光発電が流されてどこかに被害を与えたりしてしまうことも想定されます。トラブルが起きた時の負担を軽減するためにも、保険について考えてみると良いでしょう。
保険がカバーしてくれる範囲は保険の内容によって変わってきます。保険に入っていない場合、仮に自然災害で太陽光発電に何らかの被害が出たとしても、全て自分自身で負担してリカバリーしなければなりません。
太陽光発電で周辺に迷惑をかけることはないの?
太陽光発電の設置で、周囲に迷惑をかけるとは考えにくいです。パネルを設置するだけで、周辺に異臭をまき散らすこともなければ、何らかの排出物を出すものでもありません。迷惑をかける可能性があるとすれば設置工事です。
一軒家の屋上に太陽光発電を設置する際、足場を組まなければならないので隣家に工事中は窮屈な思いをさせてしまう可能性もあります。また、太陽光発電の角度が悪いと、反射した光が原因で近隣トラブルになるかもしれません。角度については専門の業者が計算したうえで設置してくれるので、ミスがない限りはトラブルを防止できるでしょう。
太陽光発電って故障しないの?
太陽光発電も、時には故障する可能性があります。電気を扱うものである以上、リスクは避けられません。特に太陽光発電は24時間外に配置するものなので、悪天候時には何らかのアクシデントに襲われる可能性があります。
その点も含めて、良い業者を選ぶことが大切です。メンテナンスや修理など、アフターフォローが充実しているところを選びましょう。
太陽光発電には固定資産税はかかるの?
太陽光発電は住宅用で10kw以上の場合、固定資産税の対象になります。ただし、太陽光発電パネルが屋根設置型の場合には固定資産税はかからず、屋根一体型の場合にのみ固定資産税がかかるという仕組みです。
この点は少々細かい部分ではありますが、屋根一体型の場合だと太陽光発電も「家の一部」として認識されるので、固定資産税がかかります。屋根設置型の場合、「家に取り付けたもの」として位置付けられるので、固定資産税はかかりません。
分かりにくい部分なので、太陽光発電を設置する際には固定資産税の有無について相談しておきましょう。
売電で得た所得に税金はかかるの?
太陽光発電で売電した場合も「所得」になる点は注意が必要ですが、確定申告が必要なのかはステータスによって変わります。
例えば会社員だと売電の所得は「雑所得」になるので、20万円を超えない場合には確定申告の必要はありません。ただし、副業を行っていて他にも雑所得があり、雑所得の合計が20万円を超える場合には確定申告が必要です。
自営業やフリーランスの場合、売電の所得も他の所得と合算して確定申告を受ける必要があります。
太陽光発電はメーカーによって違うって本当?
実際、メーカーによっては差はあります。
太陽光発電パネルは様々なメーカーから販売されており、それぞれ発電効率も異なるのがポイントです。他の家電同様、それぞれのメーカーが独自に研究を重ねて製品化しているので、パネルの能力・特徴はメーカーによって変わるという点は覚えておきましょう。
また、価格も異なるので、自分の予算やコストパフォーマンスに見合った太陽光発電を導入することが大切です。一般論として高い方が発電効率は高くなりますが、予算の兼ね合いや環境によって利益は変わります。
もしもの時、どこに相談すれば良いの?
太陽光発電に何かあった際の相談場所は太陽光発電を購入した店舗、設置業者など様々です。基本的に、自然災害のようなアクシデントがなければ太陽光発電に問題が生じる可能性は低いでしょう。その他にも定期的なメンテナンスや周囲の整備をしておくことで、もしもの事態を防げます。ただし、起こる可能性はゼロではないので業者の連絡先は覚えておきましょう。
実際には設置業者が多いようですが、設置する際、様々な説明を受ける中に緊急連絡先もあるはずなのでそちらも覚えておくようにしてください。