ZEHとは?
ZEHは「Zero Energy House(ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略で、「ゼッチ」と読みます。ZEHとは、建物の高断熱化と冷暖房設備の高効率化による大幅な省エネの実現と、太陽光発電システムなどの導入によりエネルギーを創ることで、年間のエネルギー消費量を概ねゼロにする住宅のことをいいます。
なぜZHEが注目されているのか
現在、国内のエネルギー消費量の約15%が家庭での消費となっています。加えて、2011年の東日本大震災以降、原子力発電所の運転停止などにより、電力需給のバランスが崩れ、安定していると思われていた国内のエネルギー事情にエネルギー価格の不安定化などの問題が発覚してきました。
こういった状況を受け、家庭単位において消費エネルギーを見直し、省エネルギー化の重要性が再認識されています。
2014年に閣議決定された「エネルギー基本計画」によると、2020年までには新築戸建住宅の半数以上、さらに2030年までには新築建物においてZEHの標準化を目標として掲げています。
このように、ZEHの普及により、家庭単位におけるエネルギーの需給構造を根本的に改善し、エネルギー消費量の大幅な削減を目指しています。
ZEHの定義とは
経済産業省の「ZEHロードマップ検討委員会のとりまとめ」では、ZEHを次のように定義しています。
「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」
外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、再生可能エネルギーにより年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの住宅。
「Nearly ZEH(ニアリー・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」
ZEHを見据えた先進住宅として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、再生可能エネルギーにより年間の一次エネルギー消費量をゼロに近づけた住宅。
参考:(PDF)2015年12月 経済産業省 資源エネルギー庁「ZEHロードマップ検討委員会 とりまとめ」
HEMSで消費電力を管理
HEMSは「Home Energy Management System(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)」の略で、「ヘムス」と読みます。
HEMSは、家電製品や給湯器、冷暖房機器などをネットワーク化することにより、電力消費量を「見える化」したり、自動制御プログラムを組み込んで、自動的にエアコンの温度調節を行ったり、部屋の証明を自動的に消すなど、個別の器具の電力消費を最適化するシステムです。
HEMSで電力を見える化
HEMSにより電力を見える化することで、冷暖房の使いすぎや照明など電力使用の無駄などが分かりやすくなります。さらに、HEMSは、最適な状態に自動制御をしてくれるため、いつでも無駄なく電気を使用することができます。
また、節電により余った電気は売電することで、電気代の削減だけでなくプラスになるケースもあります。
参考:(PDF)2014年4月 経済産業省 資源エネルギー庁「エネルギー基本計画」
HEMSを活用しZEHを実現
HEMSは、省エネのために工夫をしたり、家庭内の電量消費量を最適な状態に保つための設備です。2030年のZEH標準化を実現させるためには、HEMSの活用が重要なポイントとなります。