太陽光発電のデメリット
太陽光発電には、天候の影響や初期コストなどの弱点もあります。太陽光発電を導入するデメリットをまとめてみました。
【太陽光発電のデメリット1】発電量が不安定
太陽光発電は、日照量が少なければ発電量も減ってしまいます。どうしても天候や季節によって発電量が不安定になってしまうという弱点があります。雨の日や曇りの日は発電量が低下しますし、もちろん発電できるのは日中だけです。
安定した利益が見込めないので、採算や収益の見通しが立てにくいのはどうしても避けられないところです。
【太陽光発電のデメリット2】変換効率が低い
太陽光エネルギーを電力に変換する効率は、正直なところ、まだ低いと言わざるを得ません。もちろん、かなり採算が取りやすいところまで技術がたどり着いているのは間違いありませんが、今後のさらなる研究開発に大きな期待が寄せられています。
【太陽光発電のデメリット3】初期コストが高い
普及が進んだことで、太陽光発電の導入費用はかなり下がってきたことは間違いありません。とはいえ、まだまだ導入コストは高いのも事実。
2014年7~9月に導入した太陽光発電システムの平均コストは、平均4.93kWのシステムで214万円ほど。その性能が十分に発揮されたとして、投資の回収には10年ほどかかります。現金で導入できればいいのですが、通常はローンを組んだりすることが多いと思います。初期コストの重さは大きなデメリットのひとつです。
●メンテナンスが必要
なお、太陽光発電の耐用年数は20年ほどと言われています。ただ、一定の発電量を確保するためにはメンテナンスが必要です。それにもコストがかかるので、導入後のコストも念頭に置いた上で、収益の見通しを立てることが大切です。
太陽光発電は、本体と工事費がかかり高額な買い物です。設置費用は100〜200万円が平均価格になっていて、なかなか決心できない方もいるでしょう。しかし、この価格であっても、10年前よりも半分以下の値段に下がっています。実際の費用は、各自治体の補助金・パネルの値段・枚数などによって変わります。設置費用・ローンなどによって、条件が違ってきますが、元が取れるのは7年から8年で、そのあとは自分の利益となります。経済的なメリットと初期費用のデメリットがあるのが太陽光発電です。
【太陽光発電のデメリット4】雨漏りのリスク
太陽光発電は、簡単にいうと屋根に穴を開けて設置することになります。通常、屋根には防水シートが敷かれています。これによって雨漏りを防いでいるわけですが、防水シートに穴が空けば、当然雨漏りのリスクが発生します。
もちろん、基本的には防水シートは最後の砦。雨は屋根材で防ぐので、雨水がどんどん漏れていってしまうというわけではありません。
●雨漏りを防ぐには?
そもそも、雨漏りが発生するのは、設置業者の知識や技術が不足しているのが大きな原因。技術力が高く、設置実績の多い業者を選ぶことで、雨漏りのリスクを大きく減らすことができます。
自社施工ができない会社や、極端に安い金額を提示してくる会社は、技術面で信頼ができません。設置業者について事前に調べておくことで、雨漏りを防ぎましょう。
【太陽光発電のデメリット5】設置後の日陰の影響で発電量が減る
太陽光発電は、日射量によって発電量が前後します。晴れの日が1番多く、曇りならその半分程度になるでしょう。また、よく晴れていても冬場は日照時間が短いため、発電量は少なくなります。また、木陰や木の葉によって、影ができてしまうと発電量が減る原因になってしまいます。このように、パネルを設置したときに見込んでいた発電量よりも、実際の発電量が少なくなってしまうことがあります。
●発電量を減らさないためには?
日陰の解決策としては、設置前に隣家や裏山のようなものが周りにないか確認しておくことです。たくさん木が生えていて、強風の日に葉が舞ってこないか、近くにマンションはないかなど、日陰になりそうなものがないかをチェックしましょう。太陽光パネルは10年ほど設置しておくので、将来的にどうなるかも予想しておくのも◎。また、汚れると効率が悪くなるので、こまめな掃除も大切です。
太陽光パネルを選ぶとき、バイパスダイオードという素子が組み込んであるものがおすすめ。発電するときにパネルの不具合が起きてる場所を回避してくれる役目があります。以前は、ひとつの場所で発電量が落ちると、パネル全体が落ちてしまっていました。しかし、バイパスダイオードが組み込まれていると、効率よく発電することが可能です。
【太陽光発電のデメリット6】台風や地震、火災などで壊れる恐れがある
近年、日本では最大規模の豪雨災害や台風の被害が多くなってきています。土砂崩れが起きたり、建物が崩壊したりと、火災などが起きる恐れもありますね。
太陽光発電も例外ではなく、自然災害で壊れてしまう可能性があります。しかし、建築基準法に基づき「非常に強い台風」に耐えられる強度に設計されています。業者がきちんと施工をしてくれれば、過度な心配はいらないでしょう。
しかし斜面では風荷重が増すため、飛んでいく可能性がある場所では、設置を検討しなおしたほうがよいかもしれません。実際に、台風で最大瞬間風速が60mを超えたとき、太陽光パネルが吹き飛ばされることもありました。看板が飛びそうになっている場所では特に注意しましょう。
●災害で壊れるのを防ぐためには?
災害での被害を防ぐ方法は、有料の保証に入ることです。メーカーの無料保証は10年というところが多く、それ以上は有料での修理になります。
リスクを回避するためには有料の保証に入っておくのがベスト。太陽光パネルの解体費用と新規購入料金に比べると、安く済むからです。
【太陽光発電のデメリット7】悪質な業者に騙される可能性がある
太陽光発電業者の中には、悪徳な業者もいますので騙されないように注意しましょう。
騙す業者の特徴として、発電効率を水増しして、高い金額を要求してきたり、嘘の利回りや設備を説明したりしてきます。また、設置後に連絡が取れなくなり保証をなくなってしまうケースも。契約に関することは、調べたりパンフレットを読んだりして、最低限の知識をつけておくと良いでしょう。
●騙されないためには?
騙されないようにするには、まず、契約を急かす業者なら断ることが得策です。しっかりとした説明もなしに、とにかく契約を迫るような場合な、なにか後ろめたいことがあり、それを知られる前に契約を済ませたいと思っているからです。
発電量・収入を水増しする業者もいます。日照時間で発電量を計算されている、総額が曖昧などは、怪しいと思ったほうが良いでしょう。太陽光発電は、日射量で発電するので、日照時間がいくら長くても発電の参考にはなりません。
提案の仕方や営業トークに騙されないように、冷静になって資料や契約書を確認しましょう。
【太陽光発電のデメリット8】外観が変わる
外観をそこまで気にしない人にとっては、大きなデメリットにはなりません。しかし、屋根や壁との配色が気に入っている場合は、それが無くなってしまいします。人によっては、外観が悪くなったと感じるでしょう。
デザインに合わせた屋根一体型もある
太陽光発電には屋根一体型というタイプもあり、文字通り屋根と一体化させたデザインの太陽光パネルです。メリットはやはり見た目が良いこと。屋根置き型と比べた場合、設置した際見た目の違和感があまりありません。パネルに取り付ける架台も不要のため、屋根にかかる負担を軽減できるのもメリットです。
太陽光パネルを設置するなら平瓦の屋根がおすすめ
瓦にある波型の形状がないタイプの平瓦。太陽光パネルを設置した際シンプルに仕上がりやすいため、違和感なく設置できると期待できます。
また、パネルを組み込んだ屋根を設置して完了するため、架台を設置してパネルを載せるのに必要な工事期間を短縮できるのもメリットです。ただし、リフォームとして設置する場合はもともとあった屋根を外して対応しなければいけません。
【太陽光発電のデメリット9】屋根一体型は故障した場合が大変
屋根と一体化しているタイプは設置が屋根置き型と比べて工期を短くできる反面、故障した際やトラブルが発生した際の取り替えに時間がかかります。取り外しに時間がかかる分、メンテナンス時にも時間と費用をかかるのがデメリットです。
太陽光パネルだけでなく、屋根としての機能が劣化した際も修理が必要になります。デザインよりコスト面を重視するなら、屋根一体型よりも屋根置き型で設置するのが良いでしょう。もしデザイン性を重視するのであれば、住宅周辺の環境や天候などを確認したうえで業者と相談する必要があります。
【太陽光発電のデメリット10】屋根一体型は熱がこもりやすい
屋根置き型のように隙間がないため、熱がこもりやすくなります。真夏の炎天下では、パネルの温度が気温よりも30度高くなる可能性もあるとされるのが懸念点です。パネルの温度が高いと発電効率が下がってしまうので、気温が上がる夏などは発電効率が下がることを覚悟しておいたほうが良いでしょう。
ただ、太陽光パネルのメーカーによっては温度の上昇を抑えるパネルを取り扱っています。例えばモジュール裏の空気を自然換気させるシステムや、パネルと一体化したパイプから水を出すことで温度を下げつつ汚れを洗い流す機構などがそうです。
業者によって取り扱っているメーカーが異なるので、もし熱対策をしているパネルを設置する場合は予算や設置条件に付いて相談してみるのがおすすめです。
【太陽光発電のデメリット11】トラブルを起こす可能性
2015年に姫路市で太陽光パネルの反射熱により室温が上がり、それが原因で熱中症になったと男性が事業者に損害賠償を求めた事例があります。反射光は設置の角度によって変わるうえ、事前に計算することによって周囲に影響を及ぼさないように対応が可能です。しかし、実際にトラブルが起きている以上、絶対に大丈夫とは言い切れません。
他にも雑草を放置していたことで、太陽光パネルに影が差して発電量が低下する可能性もあります。こちらは屋根ではなく地上設置型の場合に考えられるトラブルです。もし太陽光パネルの下から雑草が生えてきて、パネルにぶつかった場合は故障を招く恐れもあります。実際にツル性植物がパワーコンディショナー内部に侵入し、それが原因で太陽光発電所の稼働が停止してしまったという事例も過去にありました。
設置をする際は、周りの環境にも配慮してどのようにするかを事前に相談しておく必要があります。もし地面に設置するのであれば、雑草やツルなどの植物はあらかじめ処理しておきましょう。