宮崎の農地で行うソーラーシェアリングのメリットと注意点を解説
ソーラーシェアリングとは、農業用地で太陽光発電事業を行う事で、農業収入と発電収入が同時に得られる、今とても注目されている兼業システム。
農林水産省が2013年に公表した「支柱を立てて営農を継続する太陽光発電設備等についての農地転用許可制度上の取扱いについて」によって、ソーラーシェアリングが可能となり、近年、農地でよく見かけるようになりました。
具体的には、営農中の農地に支柱を立て、その上部空間で太陽光発電を行いますが、農林水産省の取り決めにより、発電事業だけではなく農業も並行してしっかり行う必要があります。
宮崎でソーラーシェアリングを行うメリット
ソーラーシェアリングのメリットは、農業での収入と太陽光発電での収入、2つの収入が期待できることです。
通常、農地として1反程度の面積で得られる収入は年に9万円前後ですが、同じ面積でソーラーシェアリングを行うと年間180万円前後の収入が期待できます。毎月決まった収入が得られるというのも農家の方には大きなメリットではないでしょうか。
太陽光発電を農地転用という形式で地面に設置する場合は固定資産税などがかかりますが、支柱を立てて、下は農業、上は太陽光発電というソーラーシェアリングの形式にすれば固定資産税はそのままです。
また、宮崎という地域性から見たメリットもあります。 九州の南下に位置する宮崎は日照時間が非常に長く、太陽光発電にはとても向いている地域と言えます。 ソーラーシェアリングに適している作物と言われているのは、イモ類や豆類、穀物や果樹。
ソーラーシェアリングに適した作物を育てれば、作物の品質もあがるわけですが、宮崎の特産なら、ゆずやキンカンなどの果樹が合うかもしれませんね。
ソーラーシェアリングに関する県からの補助は今のところないようですが、県内の各市町村では補助金の制度が設けられているところがいくつもあります。設置をご検討の方は問い合わせてみるとよいでしょう。
ソーラーシェアリングの注意点
農林水産省の規定により、ソーラーシェアリングを行っても農業は変わらず続けることが義務付けられています。主な規定は下記のとおりです。
- 転用期間は3年(更新可能)
- 作物の収穫量や品質が大幅に落ちないようにすること
- 生産状況を毎年報告すること
- 農作業に必要なスペースが保てていること
農業をしっかりやらず、上記の取り決めが守れていなかった場合は、3年後の更新を認めてもらえない可能性があります。
そうなると、設置していた太陽光発電の設備を撤去せざるを得なくなるので注意が必要です。
また、ソーラーシェアリングにはある程度の規模の発電システムが必要となりますので、一般的な太陽光発電とは異なり初期投資も結構かかります。近年では政府系の金融機関である政策金融公庫などでも借り入れに応じているようですので、資金調達に不安な方は問い合わせてみるとよいでしょう。